2016年05月19日

耳に心と書いて恥である。

その事は突然やってきた。 

4月4日、motehrcoatメンバー全員で
花見をする予定であった。
トキロックの状態がゆっくりではあるが良くなってきたこともあり
みんなで花を見ながら酒を飲みライブ活動再開へ向けての希望の花
を咲かせようじゃないかと僕は張り切っていた。
前日、天気予報を見ると深谷は雨マークであった。
ついてないなと思ったが凹んでもどうにもならないので
気を取り直し、家でやろうではないかとプリンターで桜の画像を
プリントアウトし壁や天井に貼り付け、iMacとMacBook2台、
iPad2台も桜の画像にして配置し、畳の上にシートを敷いてその上に
アウトドアテーブルを置き、いい感じじゃないかと、これが花見の
ニュースタイルだとジュンとトキロックと小盛り上がりしていた。

集合時間は午前10時であったがジュンペイがトラブルがあって
1、2時間遅れるという連絡が入ったのでフク(実はフクは
凡人ハウスを出て行き新しいところに住んでいた。)も一緒に
12時に駅に迎えにいくよと返信した。
ジュンペイと会うのも久しぶりであり、休んでる間に少しは
落ち着いたり、いろんなことが整理出来たんじゃなかろうかと
淡い期待をしたりもしていた。
フクから返信がくる。予定があって17時に帰るという事と
車に乗るから酒は飲めないという趣旨のメールが届く。
おいおいこの日は前から呑むぞと言ってたじゃないかとイラッとしたが
まあとにかく桜の画像の下で楽しくやろうではないかと気を取り直し、
それならジュンペイをフクの車で駅で拾って来てくれと返信する。
凡人ハウス組は12時30分に合わせて食べ物を作ったり配置したりして
待つ、少しフライングして酒を飲み始める。
12時半にジュンペイから今電車に乗ったので駅に14時に着くという
メールが届く。イライラっとしたがまあとにかく桜の画像の下で楽しく
やろうではないかと気を取り直し、Macの画像を桜金造に変えてみたりしたが
イマイチいい顔の桜金造がいなくて桜の画像に戻す。
とりあえずフクだけでも先に来て、ジュンペイはタクシーで来てくれと
返信。フクは一度、はいと返事が来たのだが来ず。
結局ジュンペイと一緒に家に来たのは14時半過ぎであった。

「遅いよ! 桜が散っちゃうじゃないか」とふざけ怒り口調言ってジュンペイに
コーラハイとフクにノンアルビールを渡して乾杯する。僕はこの日とにかく
先日一人でライブしに行って僕らを待っていてくれてる人が少なからずいる
という事を体感し、その事をメンバーに早く伝えたかったし伝えれれば今日
はいいかなと、あとは楽しくやれればいいとこの時点では思っていた。

とりあえずジュンペイは少しバンド休んでみたけど調子はどうだい?みたいな
話をしてて、実は風邪ひいて寝込んでたとか、でも後払いで未払いだった仕事
のお金がまとめて入ったのでプラグインを新しくしたとかそんな話をしてた。
その流れでフクは新しい生活はどうだい?と聞くと
フクが「バンド、辞めるわ」と言った。

あっ 破けた。

不思議と怒りはなかった。去年の夏以降、掛け違えてもいいからボタンを
とめてカタチを保とうとし続けた結果、僕らはとてもヘンテコな服の着方
をしていたのかもしれない、そしてそれはいつ破けてもおかしくないよう
なところまできていた事を僕は気づきながらも外れたボタンを必死に
留め続けれればまたカッコよく着こなせる日が来ると信じるしかなかった。
が、破けた。あまりに突然に。

ジュンが「おいおいどうした?何があった?」とフクに聞く。
フクが答える。
プライベートなことなのでここには書かないが(個人的には
ここで話した理由を最後の脱退コメントで書かないのは、
その選択がフクの中でカッコイイと思えてないからじゃないかと
思ったりもした。)、まあバンドを辞める理由
としてはとてもポピュラーであり、大人ならば当然の選択であり
、バンドの状況が状況故に
「そうか、わかった。」と言うより他なかった。
この半年、フクもいろんな葛藤の中で踏ん張っていたことは
突き刺さるくらい感じており、辛い思いをさせてしまったなと
いう思いと、もう少し耐えてくれれば希望が見えたかもしれない
という無念さと、待ってくれてる人をまた悪い方向で裏切って
しまうなあという思いで涙が出た。

ジュンは「僕はバンドを辛そうにやってる人と一緒にやる方が
しんどいから」と言っていた。

トキロックはずっと黙っていたが急に泣き出し
「良かった、私にも感情があった。」と言った。

そんな感じで5人の花見は花を見る暇もない感じで進行していった。

ジュンペイはジュンペイでこんな時に悪いんだけどと
自分の話を始めた。
こうやってきっぱり辞めると言えるフクが羨ましいと言い、
自分も苦しいけど未練があってどっちつかずでずっと悩んで
いるというような旨の話(昨年の夏から幾度となく聞かされ
いた話である)を延々とする。

悲しみと怒りを込めて「バンドを辞めてくれ」と
ジュンペイに僕は言った。

バンドの再生に必死な男を前にして
バンドをきっぱり辞めると言える男を羨ましいと本気で
言えるならば、それは今すぐ辞めた方がいいし
続ける意志がある側にとっても迷惑だ。
もっと言えばこの半年、ジュンペイのメンタルケア
にも僕なりに努めてきたが、限界を感じた。
僕はこの時点でジュンペイとバンドを続けるのは
無理だと思った。

ジュンはまあまあまあというような優しさをみせていた。


そうしてジュンペイは脱退を決意した。


作品を作ってきたが、結局のところ
作ってきた音楽も書いてきた言葉も
はたまたmothercoatという存在も
当の本人達にとっては何の力にもならなかった。

いつでも放棄できるものであると考えると
その儚さにまた涙が出てきた。
アルコールがさらに僕のセンチメンタリズムを刺激し
涙腺の末広がりに笑えてきた。

とは言え面倒なことは早めにと、事後処理のことを
話しし、あとは無理に他愛のない笑い話をした。

二人が帰ったあとジュンとトキロックと
とにかくやるよというような話しをしたような気がするが
だいぶお酒を呑んでいたので定かではない

最後、ジュンに「今宵はふて寝する」
と言ってトキロックと部屋に戻ったことは覚えている。

トキロックは「私のせいだ」と泣いたあと
「潮時かな」と言った。

布団に潜り込み
誰かが僕を困らせようと仕組んでいるのではないかと、
一晩だけ自暴自棄になってみようかと試みたが
結局のところ行き着く先は自責の念となる。
mothercoatという怪物は長く苦楽を共にしてきたメンバー
二人の精神を蝕み、一人の若きやる気をへし折った。
何故、僕とジュンだけが楽しそうなのかはわからないが
きっと考えてもわからないことは、まあいっかと
思える才能があったからかもしれない。
そんなこんなでこの日は、生涯で最も疲れた花見という事で
僕の記憶に残る事となった。


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この日記の大半は4月半ばから後半にかけて
書いていた、その頃僕は脱退についての二人の
コメントが妙に綺麗事のように感じ、カッコつけて
るように感じ、ただでさえスッキリしない日々の中、
スッキリしないコメントを公式WEBに載せなければ
いけないのかと無性にイライラして勝手に怒ってもいた。
珍しくジュンもこんなコメントは載せたくないなあと
言ったぐらいであったし、ジュンペイに関しては
コメントの提出期限も守らず、最後までコイツは
なんなんだと思ったものだった。

せめて、僕の視点からのあの日の本当は書いて
置かなければと書いていたのだが、アップするのを
躊躇した。これはただの辞めたメンバーへの愚痴ではないかと、
自分の器の小ささを露呈してるようなものではないかと、
結局のとこ、僕自身もなんとかこの状況でも
カッコつけたいないという思いがありアップしなかった
わけである。

つくづく恥ずかしい男であるが、
耳に心と書いて恥である。
そう思うと、少し救われます。
そう思いながらの苦笑いです。

今はフクとジュンペイが選んだ道に幸あれと
普通に思えるわけで時間とはありがたいものです。









posted by ギガディラン at 03:43| 埼玉 ☔| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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